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なぜ今、「おくすり通信簿」が必要なのか― 薬剤費の上昇と、見直されるべき“服薬と生活習慣” ―

  • 株式会社メディアラート
  • 3 日前
  • 読了時間: 5分
適正服薬、薬剤費の上昇、服薬、生活習慣

なぜ今、「おくすり通信簿」が必要なのか

― 薬剤費の上昇と、見直されるべき“服薬と生活習慣” ―



日本の医療費は年々増加していますが、その中でも薬剤費の伸びは顕著です。高齢化や医療技術の進歩といった要因はもちろんありますが、実際の現場では「本来は見直せるはずの服薬」がそのまま継続されているケースも少なくありません。

この構造的な課題に対して、近年注目されているのが「適正服薬」という考え方です。その実践的な手段として生まれたのが、「おくすり通信簿」です。



調剤医療費は「8兆円時代」に入った

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調剤医療費は、2015年以降おおむね増加基調で推移してきました。2020年度にはCOVID-19の影響により一時的な減少が見られたものの、その後は急速に回復し、2023年度には初めて8兆円を突破しています。

この増加は、単なる「コロナ明けの反動」ではありません。高額医薬品の使用拡大、処方日数の長期化、高齢化による一人当たり処方薬剤数の増加など、構造的な要因が重なった結果といえます。



医療費の中でも、調剤だけが突出して伸びている

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2023年度の医療費伸び率を見ると、国民医療費全体が約+3.0%であるのに対し、薬局調剤医療費は+5.8%と突出した伸びを示しています。

医科・歯科診療医療費の伸びを大きく上回っており、調剤医療費が医療費全体の中で、重要な増加要因となっていることが分かります。



ジェネリック促進は「やり切った」領域になりつつある

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薬剤費適正化の代表的な施策として、これまで中心的な役割を果たしてきたのが、後発医薬品(ジェネリック)の使用促進です。その結果、ジェネリックの数量シェアは2015年の56.2%から2023年には80.2%へと到達しました。

これは、自治体・健康保険組合、医療機関、薬局が一体となって取り組んできた成果であり、医療費適正化における大きな成功例といえます。

一方で、数量シェアが80%に達した現在、「同じ薬を安く使う」ことによる削減効果は頭打ちになりつつあります。また、高額薬や領域差の影響により、数量だけでは抑えきれない構造も明らかになっています。




薬剤費はなぜ増え続けているのか

薬剤費の上昇は、単に薬の単価が高くなったからではありません。背景には、次のような状況があります。


  • 複数の医療機関を受診する中での重複処方

  • 症状への対処として薬が追加され、減らされないまま継続

  • 本来は短期間の使用が望ましい薬の長期化

  • 生活習慣の改善が進まず、薬物治療に依存しやすい状態


これらが積み重なることで、服薬数が増え、結果として薬剤費も膨らんでいきます。しかし、この問題は個人の努力や医療現場だけで解決できるものではありません。




レセプトデータが示す「見えない服薬の実態」

服薬の問題が見えにくい理由の一つは、全体を俯瞰できる仕組みが不足している点にあります。診療現場では、他院での処方内容まで把握することは困難ですし、本人もすべての薬を正確に説明できないことが多くあります。

重複処方、多剤費用、適正服薬

一方、レセプトデータには、受診履歴や処方薬の情報がすべて記録されています。このデータを分析することで、


  • 重複処方

  • 多剤処方

  • 長期服用が望ましくない薬

  • 高齢者に特に注意が必要な薬


といった服薬リスクを、客観的に把握することが可能になります。

おくすり通信簿」は、このレセプトデータを活用し、本人と医療機関の双方に分かりやすく伝えるための仕組みとして設計されました。


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「減らす」ことが目的ではなく、「見直す」ことが目的

おくすり通信簿の目的は、単に薬を減らすことではありません。大切なのは、「今の服薬が本当に必要な状態か」を本人と医療機関が一緒に確認できることです。


その結果として、

  • 重複していた薬が整理される

  • 長期服用が見直される

  • 副作用リスクが低減される

といった変化が生まれます。


これは健康被害の予防につながるだけでなく、結果として医療費の適正化にも寄与します。


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服薬の背景には、生活習慣という要素がある

もう一つ重要なのは、服薬と生活習慣は切り離せないという点です。高血圧、糖尿病、脂質異常症、不眠、便秘など、多くの慢性疾患は生活習慣と深く関係しています。


生活習慣の改善が進まないまま薬物治療が続くと、薬は増えやすくなり、服薬期間も長期化します。一方で、自分の服薬状況を可視化し、「なぜこの薬を飲んでいるのか」を理解することで、生活習慣を見直すきっかけが生まれるケースも少なくありません。


おくすり通信簿は、服薬を入り口として、生活習慣への気づきを促す役割も担っています。




自治体・健保に求められる次の一手

医療費の持続可能性を考えるうえで、治療だけでなく「未然に防ぐ」「悪化させない」視点はますます重要になっています。

レセプトデータを活用した適正服薬支援は、健康被害の予防と医療費適正化の両立を目指す、実効性の高い取り組みの一つです。


株式会社メディアラートでは自治体・健康保険組合様向けに、無料相談や資料提供を行っています。

服薬と生活習慣の見直しを、次の保健事業につなげるために。まずは現状把握から、お気軽にご相談ください。






メディアラート、適正服薬

<メディアラートのサービスのご紹介>

高齢者雇用における健康管理をトータルサポート

メディアラートは、高齢労働者の健康管理と安全確保をサポートする各種サービスを提供しています。


 おくすり通信簿による服薬状況の見える化

 ポリファーマシー(多剤服用)対策

 医療費適正化と従業員の健康維持を両立


 健康データの分析と活用

 エビデンスに基づいた効果的な健康施策の立案

 PDCAサイクルによる継続的な改善


 高齢労働者の転倒リスク評価

 職場環境の安全性向上支援

 事故防止のための具体的施策提案


メディアラートは、課題に合わせたカスタマイズソリューションをご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。


 



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